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1980年のおもちゃ語り~モノから情報に~

執筆者の写真: Macro FundesMacro Fundes

更新日:2021年5月14日

 これまでの流れが一変するのが、1986年の『聖闘士星矢』、1988年の『魔神英雄伝ワタル』くらいからだと思います。この頃から、明確に限定版やキャンペーンなどを打ち出して、おもちゃ好きの心をかき乱します。これらは、従来のようにマニア層とそれ以外を個別に商品を供給するのではなく、メインターゲットである子供をグリップしつつ、マニアも楽しめる要素を盛り込んでいったのが特徴といえます。そうしたマニアックなアイテムの数々は、当時そろえることが出来なかった子供たちの心に大きな爪痕を残し、90年代後半にリベンジカルチャーともいうべき市場を開拓していくのですが、それはまた別の機会に語れればと思います。

 こうした限定版などの商材は過去にもないわけではありませんでした。ミニカーの世界ではそれこそ1960年代の段階でコレクター市場が確立されており、そうした層に向けたアイテムも発売されています。しかし、80年代後半のそれは、ビックリマンシールの「天使VS悪魔」のブームなども背景にあるかと思いますが、「収集」自体がプレイバリューとなったことは印象深いです。80年代後半の収集系おもちゃの特徴はその情報性に尽きるように思っています。商品としては欲しくなくても、そのキャラクターの背景や立ち位置を知ると、つい買わねばならなくなるという底なし沼はハマればハマるほどその面白さから抜けられなくなるのですから。「収集(コレクション)」というプレイバリューは超ロボット生命体な方々やキン消し、SDガンダムでも醸成されていたカルチャーですが、中でも「トランスフォーマー」は「多くの中から好きな者を選ぶ」という気風は強かったように思います。そして一部の大きなお友達が原点である海外版などにも目を向けるようになったり、「More than meets the eye」で「colect them all」な世界を探求したのは、重要なムーブメントであったのではないでしょうか。こうした情報をレイヤーとして何層も重ねる収集系玩具の原点は世界的には1974年頃から発売されるTRPGにあると思うのですが、日本の場合は「~図鑑」「~百科」といった児童文化にその原点を見出すことが出来ま

す。もっともそうしたキャラクターをとりまく情報も90年代後半になると『遊戯王』に代表されるTRCGの登場により「フレーバーテキスト」と呼称され、形骸化していくのですが。



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